プロフェッショナルデジタルスキル(システム)試験(PD-S)は、2027年シラバス改訂で新設が予定されている、システムの設計・実装・運用を担う実装層のエンジニアのための試験です。シラバス案は知識約817語・技能15項目とITパスポート(819語)に迫るボリュームがあり、システム基盤・クラウド・ネットワーク・データベース・セキュリティ実装・システムライフサイクルプロセス・開発方法論・AI駆動開発という、実装者に求められる知識を幅広くカバーしています。このコースは、そのシラバス全体を8つのジャンルに整理し、20時間で全体像をつかめるように設計しました。システム設計・実装の担当になったばかりの方や、開発者としてのキャリアアップを目指す方に向いています。
ただし、このコース単体で本試験の合格を保証するものではありません。PD-S試験は2027年シラバス改訂で新設予定のため公開過去問が存在せず、章末チェック・診断・総復習の問題はすべてシラバス案のキーワード・技能例から書き下ろしています。また、本コースは科目A-2(専門知識)と科目B(技能)のみを対象とし、科目A-1(共通知識)はシラバス未取得のため対象外です。本試験の実施要項・出題形式は今後の公式発表を必ず確認してください。
20時間でPD-S試験の全体像をつかむ
診断テストで現在地を測り、8章を順に進め、最後に総復習で定着させる——このサイクルが基本です。第1〜4章はビジネス戦略・システム基盤・ネットワーク・DBという「基盤の型」、第5〜6章はシステムライフサイクルプロセス・開発方法論という「工程の型」(シラバス中最大級のボリューム)、第7章はAI駆動開発とフィジカルAIという「差別化の核」、第8章は知識ではなく実務スキル(科目B相当)を扱います。
第1章(経営戦略・デジタル戦略)はPD-Mコースと同名の中分類を扱いますが、PD-Sではシステム開発視点(要件定義・調達契約・エンタープライズアーキテクチャ)に絞られています。両方受験する場合は、PD-Mコースで戦略選定の視点を補うと理解が深まります。第7章は既存の学習コンテンツがほとんど存在しない完全新規領域で、バイブコーディング・エージェンティックコーディング・仕様駆動開発(SDD)といったAI駆動開発と、世界モデル・強化学習といったフィジカルAIを扱う、このコース最大の差別化ポイントです。第8章は知識の総仕上げとして、産業用IoTセンサーメーカーのシステムアーキテクトを主人公にしたケーススタディで、新製品開発を通じて実務スキルを身につけていく物語を体験します。
まず10問で現在地を測る
8つのジャンルから出題する簡易診断です(第5〜6章はシラバス中最大級のボリュームのため2問ずつ、他の章は1問ずつ)。正答率が低かった章は優先的に学習することをおすすめします。
問1. エンタープライズアーキテクチャの4層のうち、扱うデータの構造を表す層はどれか。
問2. クラウド移行の戦略的なアプローチ(5R)のうち、クラウド前提でアプリケーションを作り直すものはどれか。
問3. OSI基本参照モデルにおいて、TCPが動作する層はどれか。
問4. 一貫性・可用性・分断耐性の3つを同時にすべて満たすことはできないという分散システムの定理はどれか。
問5. 新環境に少量のトラフィックだけを流して安全性を確認しながら切り替えるリリース手法はどれか。
問6. 環境の変化に対応するために行う保守の種類はどれか。
問7. ビジネスロジックを外部技術から独立させ、依存の方向を内側に向ける設計思想を持つアーキテクチャパターンはどれか。
問8. OSにおいて、特権的な処理を実行できるモードはどれか。
問9. シミュレーション環境で学習したロボットを実機に投入する際、仮想と現実の違いから生じる性能低下を指す用語はどれか。
問10. SRE(サイト信頼性エンジニアリング)の考え方に基づき、新機能リリースと安定性のバランスを管理するために設定する指標はどれか。
カリキュラムマップ
| パターン | 対象 | 総時間 | 進め方 |
|---|---|---|---|
| 標準(20時間) | システム開発未経験〜初任の方。旗艦パターン | 20h | 診断→第1〜8章を順に→総復習 |
| 実務者(12時間) | インフラ・開発・運用の実務経験がある方 | 12h | 診断で弱点分野を特定→第5〜7章(システムライフサイクル・開発方法論・AI駆動開発)と第8章(実務)を厚く→他は章末チェックのみ→総復習 |
| 直前(6時間) | 試験1週間前 | 6h | 診断→正答率の低い上位2章→第8章→総復習 |
章一覧
| 章 | ジャンル | この章で学ぶこと | 目安 |
|---|---|---|---|
| 第1章 ビジネス・デジタル戦略とデジタルツール活用 | デジタル戦略 | DX戦略、システム化構想・計画の立案、要件定義・調達契約、エンタープライズアーキテクチャ、業種別デジタルツール | 120分 |
| 第2章 システム基盤とクラウド | システム基盤 | サイバーフィジカルシステム・IoT、コンピュータアーキテクチャ、クラウドサービスモデル、コスト最適化・移行戦略 | 150分 |
| 第3章 ネットワーク | ネットワーク | OSI基本参照モデル、IPアドレッシング・ルーティング、トランスポート/アプリケーション層プロトコル、モバイル通信 | 120分 |
| 第4章 データベースとセキュリティ実装技術 | DB・セキュリティ実装 | データモデル・同時実行制御・分散データベース、TLS・OAuthなどの暗号化・認証プロトコル、脆弱性診断 | 120分 |
| 第5章 システムライフサイクルプロセス | システム開発工程 | 要件定義・設計・実装・テスト・移行・運用・保守・廃棄までの全工程(シラバス中最大の章) | 180分 |
| 第6章 開発方法論とDevOps実践 | 開発方法論 | アジャイル・DevOps/SRE、アーキテクチャパターン、ドメイン駆動設計、UI/UXデザイン、OS基礎 | 180分 |
| 第7章 AI駆動開発とフィジカルAI | AI駆動開発 | バイブコーディング・エージェンティックコーディング・仕様駆動開発、世界モデル・強化学習 | 120分 |
| 第8章 システム開発実務ケーススタディ(技能) | 実務演習 | システムアーキテクチャ・ネットワーク・フィジカルコンピューティング・開発運用という技能4グループ15項目を、システムアーキテクトのケーススタディで体験 | 120分 |
総復習
全8章を終えたら、20問の総復習で定着度を確認しましょう。各章から2〜3問ずつ出題しています。正答率が低かった章は、該当ページに戻って章末チェックを解き直すことをおすすめします。
問1. PD-MコースとPD-Sコースの「経営戦略・デジタル戦略」の扱いの違いを説明したものとして、最も適切なものはどれか。
問2. 必要なものを必要なときに必要な分だけ作る生産方式の考え方はどれか。
問3. 各ノードが専用のリソース(メモリ・ストレージ)を持ち、他ノードと共有しない分散システムの設計方針はどれか。
問4. クラウドの財務管理を専門領域として扱い、タグベースのコスト配分やコストの可視化を通じて継続的に最適化する考え方はどれか。
問5. 既存のLTE網を流用しながら5Gサービスを提供する展開方式はどれか。
問6. 1つの物理的なネットワーク基盤を、用途や要件に応じて複数の論理的なネットワークに分割して提供する技術はどれか。
問7. 2相ロッキングプロトコルにおける「成長期」と「縮退期」の説明として、最も適切なものはどれか。
問8. 外部サービスに自分のパスワードなどの認証情報を渡すことなく、必要な権限だけを付与する仕組みはどれか。
問9. システムライフサイクルプロセス(JIS X 0170)とソフトウェアライフサイクルプロセス(JIS X 0160・SLCP)の関係を説明したものとして、最も適切なものはどれか。
問10. 複数の条件式の組み合わせパターンを網羅的に確認するテストの網羅基準はどれか。
問11. 進行役(モデレーター)を立てて形式的に行うレビュー技法はどれか。
問12. 許容できる障害の割合をあらかじめ数値で定め、その範囲内であれば新機能のリリースを優先するSREの考え方はどれか。
問13. 操作対象(オブジェクト)を起点に画面を設計する考え方はどれか。
問14. 業務の複雑さそのものをモデルの中心に据え、開発者と業務担当者が共通の言葉(ユビキタス言語)で会話することを重視する設計手法はどれか。
問15. 「バイブコーディング」「エージェンティックコーディング」「仕様駆動開発(SDD)」の違いを説明したものとして、最も適切なものはどれか。
問16. 視覚・言語・行動を統合し、ロボットの動作生成に用いられる基盤モデルの略称はどれか。
問17. AIモデルの構成要素(学習データ・アルゴリズム・依存ライブラリ など)を一覧管理する仕組みで、SBOMのAI版に相当するものはどれか。
問18. 既存のオンプレミス設備の一部は維持し、新規のデータ処理基盤はクラウド前提で作り直すという判断は、クラウド移行の5Rのうちどの組み合わせに該当するか。
問19. 工場の高温多湿環境で使用するセンサーデバイスを選定する際、システムアーキテクトとして最も適切な確認事項はどれか。
問20. AIエージェントに実装を進めさせる仕様駆動開発を導入する際、システムアーキテクトとして最も適切な運用方針はどれか。
完走したら
このコースは「知識体系とスキルの入口」です。PD-S試験は2027年シラバス改訂での新設予定のため、公式の出題形式・過去問が公開され次第、そちらでの演習と組み合わせることをおすすめします。
- プロフェッショナルデジタルスキル(マネジメント)試験 20時間コース で経営戦略・DX戦略・ガバナンスの視点を補う
- データマネジメント試験 20時間コース でデータ利活用の実務知識を補う
- 試験制度・シラバス改訂の最新動向は当サイトのtrend記事で随時フォローする
よくある質問
Q. このコースだけでプロフェッショナルデジタルスキル(システム)試験に合格できますか? A. PD-S試験は2027年シラバス改訂での新設予定のため、公開過去問が存在しません。このコースの問題はすべてシラバス案のキーワード・技能例から書き下ろしたオリジナル問題であり、本試験の出題形式とは異なる可能性があります。知識体系の土台づくりとして活用し、本試験の実施要項が公式発表され次第、正式な過去問演習と組み合わせてください。
Q. 科目A-1(共通知識)は含まれていますか? A. 含まれていません。科目A-1(共通知識)は別文書のシラバスに記載されており、本コース制作時点では未取得のため対象外です。本コースは科目A-2(専門知識)と科目B(技能)のみを扱います。
Q. 8章はどの順番で進めるべきですか? A. カリキュラムマップの「標準パターン」では第1章から順に進めますが、インフラ・開発・運用の実務経験がある方は「実務者パターン」(シラバス中最大級の第5〜6章、実務スキルの第8章を厚く、他は章末チェックのみ)が効率的です。
Q. PD-Mコースとどちらを先に学ぶべきですか? A. マネジメント志向であればPD-M、実装志向であればPD-Sから始めるのがおすすめです。第1章はPD-Mコース第2章と同名の中分類を扱いますが、PD-Sはシステム開発視点に絞られているため、両方受験する場合は両コースを読み比べると「経営視点」と「実装視点」の違いが立体的に理解できます。
Q. 第7章のAI駆動開発・フィジカルAIは本当に出題されるのですか? A. 2027年シラバス案(Ver.0.2)に明記されている内容です。ただし新設試験のため出題頻度や出題形式は今後の公式発表次第で変わる可能性があります。既存の学習コンテンツがほとんど存在しない領域のため、このコースが数少ない学習リソースの1つになります。