データマネジメント試験は、2027年シラバス改訂で新設が予定されている、データを実務で扱う担当者のための試験です。シラバス案は知識187語・技能84技能例と、ITパスポート(819語)やSG(715語)と比べると少なく見えますが、その分「AIエンジニアやデータサイエンティストではなく、現場で日常的にデータを扱う実務担当者」という対象者像に特化した、実務直結の内容になっています。このコースは、そのシラバス全体を8つのジャンルに整理し、20時間で全体像をつかめるように設計しました。データ利活用の担当になったばかりの方や、ITパスポート合格後の次のステップを探している方に向いています。

ただし、このコース単体で本試験の合格を保証するものではありません。DM試験は2027年シラバス改訂で新設予定のため公開過去問が存在せず、章末チェック・診断・総復習の問題はすべてシラバス案の技能例・キーワードから書き下ろしています。本試験の実施要項・出題形式は今後の公式発表を必ず確認してください。

20時間でデータマネジメント試験の全体像をつかむ

診断テストで現在地を測り、8章を順に進め、最後に総復習で定着させる——このサイクルが基本です。第1〜2章はDM独自の深掘り分野(データガバナンス・組織体制、データ品質管理・メタデータ管理)で、既存の学習コンテンツが存在しない完全新規の領域のためコース最大のボリュームを割いています。第3〜4章はデータ基盤と統計手法、第5章はAI利活用・AI倫理、第6〜7章はその他の分野(DB・セキュリティ、法務)を簡潔にまとめ、第8章は知識ではなく実務スキル(科目B相当)を扱います。

第4章には、標準偏差・相関係数・回帰係数を実際の数値でステップバイステップに計算する計算例題をKaTeXで収録しています。用語や概念を知っていても実際の算出でつまずきやすい分野のため、電卓を片手に手を動かしながら読み進めることをおすすめします。第8章は知識の総仕上げとして、食品通販会社を舞台にしたケーススタディで、新卒1年目の担当者が1年間を通じて実務スキルを身につけていく物語を体験します。

まず10問で現在地を測る

8つのジャンルから出題する簡易診断です(第1〜2章はDM独自の深掘り分野のため2問ずつ、他の章は1問ずつ)。正答率が低かった章は優先的に学習することをおすすめします。

問1. データガバナンスとデータマネジメントの関係の説明として最も適切なものはどれか。

問2. 特定のデータ領域に対する最終的な意思決定権限と責任を持つ役割を何というか。

問3. 複数のシステム間でデータが矛盾していないかを表すデータ品質特性はどれか。

問4. メタデータの3分類のうち、業務用語や業務ルールを説明するものはどれか。

問5. あらゆる形式の生データをそのまま蓄積する仕組みはどれか。

問6. 2つの変数が同時に変化する関係が見られても、一方がもう一方の原因であるとは限らないという考え方を何というか。

問7. 社内文書や最新情報など外部の知識を検索し、その結果を回答に反映させる生成AIの技術はどれか。

問8. 情報セキュリティの3要素(CIA)の組み合わせとして正しいものはどれか。

問9. あらかじめ本人の同意を得たうえでデータを利用する方式を何というか。

問10. 業務で個人情報を含むデータを生成AIに分析させたいとき、実務担当者として最も適切な対応はどれか。

カリキュラムマップ

パターン対象総時間進め方
標準(20時間)データ利活用未経験〜初任の担当者。旗艦パターン20h診断→第1〜8章を順に→総復習
実務者(12時間)ITパスポート合格済み、またはIT・データ実務経験がある方12h診断で弱点分野を特定→第1〜2章(DM独自の深掘り分野)と第4章(統計計算例題)・第8章(実務)を厚く→他は章末チェックのみ→総復習
直前(6時間)試験1週間前6h診断→正答率の低い上位2章→第8章→総復習

章一覧

ジャンルこの章で学ぶこと目安
第1章 データガバナンスと組織体制データガバナンスデータガバナンスとデータマネジメントの違い、データライフサイクル、CDO・DMO・データオーナーなどの組織体制180分
第2章 データ品質管理とメタデータ管理データ品質管理データ品質特性・データクレンジング、PDCA型の品質マネジメントサイクル、ビジネス/テクニカル/オペレーショナルのメタデータ3分類180分
第3章 データ基盤とデータ活用の仕組みデータ基盤データレイク・DWH・データマートの違い、BIツールなどの活用ツール、データの種類の分類、データマイニングの基礎120分
第4章 統計手法とデータ分析(例題つき)統計・データ分析標準偏差・相関係数・回帰係数をステップバイステップで計算する例題、仮説検定、統計的・認知バイアス、可視化手法210分
第5章 AI利活用とデータ・AI倫理AI利活用AI社会原則、生成AIの活用例・プロンプトエンジニアリング、AIエージェントとガードレール、ハルシネーションやフィルターバブルなどのAI倫理120分
第6章 データベースとセキュリティの基礎DB・セキュリティデータモデルの段階的詳細化とE-R図・UML、情報セキュリティの3要素(CIA)と情報資産の分類・リスクコントロール90分
第7章 データ関連法務・コンプライアンス法務著作権法・不正競争防止法などのビジネス関連法規、匿名加工情報・オプトイン/オプトアウト・GDPRなどのプライバシー関連法規90分
第8章 実務担当者のデータ活用実務(ケーススタディ)実務演習データの取扱い・分析による意思決定・組織文化の醸成・活用の向上という技能4グループ16項目を、新卒担当者のケーススタディで体験150分

総復習

全8章を終えたら、20問の総復習で定着度を確認しましょう。各章から2〜3問ずつ出題しています。正答率が低かった章は、該当ページに戻って章末チェックを解き直すことをおすすめします。

問1. 全社共通のガバナンス方針はDMOなど中央組織が定めつつ、実行は各事業部門のデータスチュワードが担う組織構造はどれか。

問2. データガバナンスの基本行動として、シラバスで挙げられている3つの組み合わせはどれか。

問3. 組織内で「これが正であり唯一の参照先である」と定めたデータの在り処を何というか。

問4. 統計的に他の値から大きく外れているが誤りとは断定できない値を何というか。

問5. データ品質マネジメントを構成する4つの活動の組み合わせとして正しいものはどれか。

問6. 組織内のデータ資産を検索・閲覧できるように整理したものと、データの来歴を追跡する仕組みの組み合わせとして正しいものはどれか。

問7. 抽出(Extract)・変換(Transform)・格納(Load)のうち、変換より先に格納を行う処理方式はどれか。

問8. ある商品を買った人が別の商品も買う確率が、全体の購買確率と比べてどれだけ高いかを示すデータマイニングの指標はどれか。

問9. あるデータの分散が36であるとき、標準偏差として正しいものはどれか。

問10. 単回帰分析における回帰式 y = ax + b について、a が表すものはどれか。

問11. 1つの良い(悪い)印象に引きずられて、他の評価まで歪めてしまう認知バイアスはどれか。

問12. 識別AIの利活用目的のうち、データから新たな気づきを見出すことを表すものはどれか。

問13. 生成AIがもっともらしい誤情報を生成してしまう現象を何というか。

問14. データモデルを詳細化していく順序として正しいものはどれか。

問15. 情報資産に対するリスク対応の流れとして、最も適切な順序はどれか。

問16. 秘密として管理されていなくても、ID・パスワードなどのアクセス制限のもとで反復的に提供されるデータを保護する区分はどれか。

問17. EU域内の個人データ保護を定める法規はどれか。

問18. 分析用データの中に、キー項目の定義が部署によって異なることが原因で集計が一致しないことが分かった。実務担当者として最も適切な対応はどれか。

問19. 広告費と売上の相関係数が以前より弱まっていたことが分かった。データ分析結果に基づく洞察の導出として最も適切な解釈はどれか。

問20. 小規模な試行(PoC)を企画する際に、最初に明確にしておくべきこととして最も適切な組み合わせはどれか。

完走したら

このコースは「知識体系とスキルの入口」です。DM試験は2027年シラバス改訂での新設予定のため、公式の出題形式・過去問が公開され次第、そちらでの演習と組み合わせることをおすすめします。

よくある質問

Q. このコースだけでデータマネジメント試験に合格できますか? A. DM試験は2027年シラバス改訂での新設予定のため、公開過去問が存在しません。このコースの問題はすべてシラバス案の技能例・キーワードから書き下ろしたオリジナル問題であり、本試験の出題形式とは異なる可能性があります。知識体系の土台づくりとして活用し、本試験の実施要項が公式発表され次第、正式な過去問演習と組み合わせてください。

Q. 8章はどの順番で進めるべきですか? A. カリキュラムマップの「標準パターン」では第1章から順に進めますが、ITパスポート合格済みの方は「実務者パターン」(DM独自の深掘り分野である第1〜2章、計算例題のある第4章、実務スキルの第8章を厚く、他は章末チェックのみ)が効率的です。

Q. なぜ第1〜2章がこんなに厚いのですか? A. 第1〜2章が扱う「データガバナンス・組織体制」「データ品質管理・メタデータ管理」は、DM試験で最もボリュームが大きく(合計67語)、かつ既存の学習コンテンツがほとんど存在しない完全新規の領域です。この2章がDM試験の独自性と難易度の核になるため、他の章より厚めに構成しています。

Q. 第4章の計算例題は数学が苦手でも理解できますか? A. 標準偏差・相関係数・回帰係数の3つを、同じ売上データを使ってステップバイステップで計算する構成にしています。公式を丸暗記するのではなく、「なぜその計算をするのか」を1つの物語として追える作りになっているので、電卓を片手に手を動かしながら読み進めてみてください。