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2026年からのCBT化は高度試験にどう影響する?
2026年度から予定されている高度試験のCBT化。受験スタイル、科目名の変更、記述・論述式のキーボード入力への移行など、その影響を解説します。

2026年度(令和8年度)春期試験より、ITストラテジスト試験をはじめとする高度試験(および情報処理安全確保支援士試験、応用情報技術者試験の一部)において、CBT(Computer Based Testing)方式が導入される予定です。CBTとは、Computer Based Testingの略で、紙と鉛筆ではなく、コンピューターを使って試験を受ける方式を指します。多くの資格試験で採用されており、受験者の利便性向上と試験運営の効率化を目指して導入が進んでいます。
長らく「年1回、指定の会場で一日がかりで行う筆記試験」として親しまれてきた高度試験ですが、今回のCBT化は受験者の学習スタイルや戦略にどのような影響を与えるのでしょうか。情報処理技術者試験においても、多様な学習スタイルや働き方を持つ受験者層に合わせ、より柔軟な受験機会を提供するためにこの方式が選ばれました。本記事では、想定されるメリットと注意点を詳しく解説します。
これまでの「年1回、特定の日曜日に、紙で一日がかりで受験する」というスタイルから、「期間内で日時・会場を選び、PCで受験する」形式へ根本的に変化します。
受験スタイルとスケジュールの柔軟化
- 日時・会場の選択: 春期(4月)・秋期(10月)の特定日開催ではなく、一定期間内に設定された複数日から、自分の都合の良い日時と会場(テストセンター)を選択して受験できるようになります。これにより、仕事や学業、プライベートの予定と試験日程が重なる心配が大幅に減り、自身のベストなコンディションで試験に臨むことが可能になります。 試験対策の学習計画も、より柔軟に立てられるようになるでしょう。
- 試験の分割受験が可能に: 従来は1日で全ての科目をこなす必要がありましたが、CBT化後は「科目A群(旧午前)」と「科目B群(旧午後)」を別々の日時で予約・受験できるようになる見込みです。これにより、長時間の試験による体力の消耗を分散させることが可能になります。例えば、午前対策に集中してから午後の対策を始める、あるいは午前の試験で実力を出し切った後、日を改めて午後の試験に挑むなど、戦略的な学習と受験が可能になります。
試験科目名の変更
CBT移行に伴い、科目名が以下のように再編されます。
- 午前Ⅰ → 科目A-1
- 午前Ⅱ → 科目A-2
- 午後Ⅰ → 科目B-1
- 午後Ⅱ → 科目B-2 ※免除制度(午前Ⅰ免除など)は、科目A-1免除としてそのまま継続される予定です。この変更は、CBT方式への移行に合わせて、試験科目をより体系的かつ現代的に整理する意図があると考えられます。受験者にとっては、新しい名称に慣れる必要がありますが、問われる知識やスキル自体は従来の試験と変わりません。 科目A-1免除が継続されることは、既に午前Ⅰ免除の資格を持つ受験者にとって朗報です。過去の努力が無駄にならず、引き続き学習リソースを他の科目に集中できるため、効率的な試験対策を継続できます。
解答方法の変化(記述・論述式)
高度試験の最大の特徴である記述式・論述式(論文)問題の解答方法が、「手書き」から「キーボード入力」へ変わります。
- メリット:
- 修正が容易: 論文等の長文記述において、推敲や構成の変更(カット&ペースト)、文字の修正が容易になり、書き直しや消しゴムかけの労力から解放されます。これにより、論文の品質向上に集中しやすくなります。
- 手書きの負担減: 2〜3時間の筆記による肉体的な疲労(腱鞘炎リスクなど)が軽減されます。長時間の試験でも集中力を維持しやすくなるでしょう。
- デメリット・注意点:
- タイピングスキル: 高度試験の記述・論述式では、限られた時間内で思考を整理し、的確な文章を作成する能力が求められます。キーボード入力に変わることで、思考のスピード��追いつくタイピングスキルが必須となります。 日頃からPCでの文章作成に慣れておくことは、試験対策だけでなく、実務でのドキュメント作成能力向上にも直結するでしょう。
- メモの制約: 問題用紙に直接線を引いたりメモを書き込んだりできないため、画面上のマーカー機能や、配布されるメモ用紙を活用して思考を整理する訓練が必要になります。画面上のマーカー機能や配布されるメモ用紙は、問題文の重要箇所を特定したり、論文の構成案を練ったりするために不可欠です。これらのツールを効果的に活用する練習を重ねることで、紙での思考整理に代わるスキルを身につける必要があります。 これは、実務における情報整理やアイデア出しの能力にも通じるものです。
- 画面での長文読解: 長い問題文をスクロールしながらディスプレイ上で読む必要があるため、紙とは異なる読解の慣れが求められます。長い問題文をディスプレイ上で読み続けることは、紙媒体とは異なる集中力や目の疲れに繋がる可能性があります。普段からPC画面で資料や記事を読む習慣をつけ、長文読解の訓練を行うことが重要です。 また、ブルーライト対策や適度な休憩を取り入れるなど、体調管理にも配慮しましょう。
変更されない点
試験方式は変わりますが、以下の点は変更がないと発表されています。
- 出題範囲・難易度: 問われる知識や技能の範囲。これまでの試験で培われてきた知識や対策が無駄にならないという点で、受験者にとっては安心材料です。過去問演習や既存の参考書を用いた学習が、引き続き効果的な対策となります。 難易度が維持されるということは、高度試験が求める専門性とレベルに変わりがないことを意味します。
- 出題形式: ���肢選択式、記述式、論述式という形式そのもの。
- 試験時間・出題数: 各科目の試験時間や問題数。多肢選択式、記述式、論述式という形式そのものや、各科目の試験時間、問題数に変更がないため、これまでの試験対策で培った時間配分や問題解決のアプローチは引き続き適用可能です。 根本的な「解く力」を養うことに注力しましょう。
将来的な再編の可能性(参考)
2026年1月時点の経済産業省の検討案では、将来的(2026年度以降のCBT化と合わせて、あるいはそれ以降)に、現在の高度試験区分を「マネジメント・監査」「データ・AI」「システム」の3領域に大括り化して再編する構想も議論されています。この構想は、IT技術の進化やビジネスニーズの変化に対応し、より現代のIT人材に求められるスキルセットを反映させることを目的としています。これにより、試験区分がより実務に直結した形とな��、受験者が自身のキャリアパスを明確に描きやすくなる可能性があります。 ただし、2026年のCBT化スタート時点では、現在の試験区分(ITストラテジストやプロジェクトマネージャなど)のまま移行する予定です。そのため、まずは現在の試験区分での合格を目指し、目の前の学習に集中することが最も重要です。 将来的な変更は、その後の動向を注視し、必要に応じて対応を検討していくスタンスで良いでしょう。

