この章で学ぶこと
「会社の勝ち筋をどう考えるか」を扱う章です。自社・競合・市場を分析するフレームワーク(経営戦略・デジタル戦略)、それをどう収益に変えるかという設計図(ビジネスモデル・ビジネスプロセス)、そして実務を支える具体的なシステム・ツール(デジタルサービス・デジタルツール)の3系統です。分析フレームワークは名前が似ていて混同しやすいので、「何を分析する道具か」で整理しながら覚えます。
経営戦略・デジタル戦略
分析フレームワークが最頻出です。自社の強み・弱み・機会・脅威を4象限で整理するSWOT分析、市場・競合・自社の3視点で見る3C分析、他社に真似できない核となる強みを指すコアコンピタンス、原材料から販売までの活動を「価値の連鎖」として分析するバリューチェーン分析は、いずれも「自社の立ち位置を把握する」ための道具です。経営目標を財務・顧客・業務プロセス・学習と成長の4視点で管理するバランススコアカード(BSC)、複数事業への資源配分を判断するPPM(プロダクトポートフォリオマネジメント)、達成度を測るKGI・KPIもセットで押さえます。
DX関連では、単なるIT化ではなくデジタルトランスフォーメーション(DX)そのものの定義(データとデジタル技術を使って製品・サービス・ビジネスモデルを変革すること)と、情報格差を意味するデジタルディバイドの対比を理解しておくと、第3章の内容ともつながります。システム企画の入口として、現状(As-isモデル)と理想(To-beモデル)を比較する考え方、要件を分ける業務要件・機能要件・非機能要件、外部への依頼文書であるRFI(情報提供依頼書)とRFP(提案依頼書)の違い(RFIは情報収集、RFPは提案を求める)も頻出です。
扱う用語(精選後・21語)
- SWOT分析/3C分析/コアコンピタンス/バリューチェーン分析
- バランススコアカード(BSC)/PPM(プロダクトポートフォリオマネジメント)
- KGI/KPI/CSF
- M&A/ベンチマーキング
- デジタルトランスフォーメーション(DX)/デジタルディバイド/DX戦略
- 情報システム戦略
- As-isモデル/To-beモデル
- 業務要件定義/機能要件定義/非機能要件定義
- RFI(情報提供依頼書)/RFP(提案依頼書)
深掘り: SWOT分析をマスター!/3C分析を徹底解説!/コアコンピタンス徹底解説!/バリューチェーン徹底解説!/BSC徹底解説!/PPM徹底攻略!/デジタルディバイドとは?
ビジネスモデル・ビジネスプロセス
マーケティングの基本フレームは、市場を細分化するSTP分析(セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニング)と、政治・経済・社会・技術の外部環境を見るPEST分析です。事業取引の型を示すBtoB・BtoC、少量多品種が積み重なって大きな売上になるロングテール、事業の全体像を1枚で整理するビジネスモデルキャンバスもこの分野の定番語です。
業務改善の3兄弟として、継続的にプロセスを改善するBPM、抜本的に作り直すBPR、外部に委託するBPOを区別します。ロボットで定型業務を自動化するRPAも同じ文脈でよく出題されます。製品が導入期→成長期→成熟期→衰退期をたどるプロダクトライフサイクル、自社製品同士が客を奪い合うカニバリゼーション、検索結果で上位表示を狙うSEOも押さえておきたい頻出語です。
扱う用語(精選後・18語)
- STP分析/PEST分析
- BtoB/BtoC/ロングテール
- ビジネスモデルキャンバス
- ビジネスモデルとマネタイズモデル(広告・買い切り・ライセンス・サブスクリプション・フリーミアム)
- BPM/BPR/BPO/RPA
- プロダクトライフサイクル/プロダクトポートフォリオ
- カニバリゼーション
- SEO
- オムニチャネル
- ダイナミックプライシング
- シェアリングエコノミー
- e-ビジネス
デジタルサービス・デジタルツール
社内システムの代表格として、経営資源を一元管理するERP、顧客情報を管理するCRM、サプライチェーン全体を最適化するSCM、営業活動を支援するSFAの役割の違いを整理します。「ERPはヒト・モノ・カネ・情報を一元化、CRMは顧客との関係、SCMは供給網の効率化」という切り口で区別すると覚えやすいです。
生産管理では、必要なものを必要な時に必要な量だけ作るJIT(ジャストインタイム)とその手法であるかんばん方式がセットで出題されます。決済・金融分野ではキャッシュレス決済・フィンテック・暗号資産・NFTといった新しい用語が2027年シラバスで比重を増しています。業務基盤としては、企業間でデータをやり取りするEDI、社内の情報共有を担うグループウェア、Webサイトを管理するCMS、日常業務で使う表計算ソフトのピボットテーブル機能も範囲に含まれます。
扱う用語(精選後・18語)
- ERP(企業資源計画)/CRM(顧客関係管理)/SCM(サプライチェーンマネジメント)/SFA(営業支援システム)
- POSシステム
- JIT(ジャストインタイム)/かんばん方式
- キャッシュレス決済/フィンテック(FinTech)/暗号資産(仮想通貨)/NFT
- EDI(電子データ交換)
- グループウェア/CMS(コンテンツ管理システム)
- 表計算ソフト(ピボットテーブル)
- ガバメントクラウド/マイナポータル
- 電子決済システム/インターネットバンキング
AIで学ぶ
ここまでの用語は、ChatGPTやClaudeなどの生成AIに以下のプロンプトを投げかけると、比較表つきでさらに深く掘り下げて学習できます。コピーして使ってみましょう。
あなたはITパスポート試験の講師です。「経営戦略とビジネスモデル・ツール活用」の範囲について、以下の用語を初学者向けに**関連づけながら**説明してください(単体の丸暗記より、用語同士のつながりを理解したほうが記憶に定着しやすく、試験本番で紛らわしい選択肢を見分ける力もつくためです)。用語同士の違いが分かる**比較表**を最後に付けてください。
【経営戦略・デジタル戦略】SWOT分析、3C分析、コアコンピタンス、バリューチェーン分析、バランススコアカード(BSC)、PPM、KGI/KPI、M&A、デジタルトランスフォーメーション(DX)、デジタルディバイド、As-isモデル/To-beモデル、RFI/RFP
【ビジネスモデル・ビジネスプロセス】STP分析、PEST分析、BtoB/BtoC、ロングテール、ビジネスモデルキャンバス、BPM/BPR/BPO、RPA、プロダクトライフサイクル、カニバリゼーション
【デジタルサービス・デジタルツール】ERP、CRM、SCM、SFA、JIT、かんばん方式、キャッシュレス決済、フィンテック、暗号資産、NFT、EDI、グループウェア、CMSこのプロンプトは、役割設定(試験の講師として振る舞わせる)→関連づけの指示(用語を単に列挙させず、つながりで説明させる)→出力形式の指定(比較表で受け取る)という3段構成でできています。コピーして使うだけでなく、この組み立て方を覚えておくと、他の章や他の資格でも自分でプロンプトを作れるようになります。
章末チェック
最後に、この章で学んだ知識をアウトプットして定着させましょう。全問に答えたら「答え合わせ」を押してください。
問1. 「自社・競合・市場」の3つの視点から事業環境を分析するフレームワークはどれか。
問2. 経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)を一元管理し、社内情報を統合するシステムはどれか。
問3. 業務プロセスを抜本的に作り直すアプローチを指す用語はどれか。
問4. 外部の事業者に対し、まず情報の提供を求める文書はどれか。
この章のまとめ
この章では、SWOT分析やバランススコアカードといった経営戦略のフレームワーク、STP分析などビジネスモデルを組み立てる考え方、そしてERP・CRMなど戦略を実行に移すデジタルツールを整理しました。
次章では、2027年シラバスで新設されたDXとビジネス変革の考え方を学びます。経営戦略を実際の変革につなげるための新しい視点です。→ 第3章 DXとビジネス変革の考え方