G検定(ジェネラリスト検定)は、AIをビジネスで活用するための知識を問う、日本ディープラーニング協会(JDLA)が主催する検定試験です。シラバス2024(v1.4)は技術分野37項目・法律/倫理分野18項目の計55項目で構成され、AIの歴史から最新の生成AI・法律・倫理まで扱う範囲が広いのが特徴です。このコースは、そのシラバス全体を8つのジャンルに整理し、20時間で知識体系の全体像をつかめるように設計しました。これから学習を始める方や、独学で全体像がつかみにくいと感じている方に向いています。

本コースは20時間で基礎知識を身につけるための学習教材であり、合格を保証するものではありません。G検定は公開過去問・既存の対策教材が豊富にある試験のため、仕上げには公式テキストや模擬試験を必ず併用してください。

20時間でG検定の全体像をつかむ

診断テストで現在地を測り、8章を順に進め、最後に総復習で定着させる——このサイクルが基本です。第1〜4章はAIの歴史・機械学習・ディープラーニングの理論基盤という技術の土台、第5〜6章は画像・言語・音声・強化学習・生成AIという応用分野、第7章はAIプロジェクトの実務と数理統計、第8章は法律・倫理という、技術分野と法律・倫理分野をバランスよく配分しています。

第4〜6章には固有名詞のモデル名が多数登場しますが、丸暗記より「どのタスクを解くために、なぜそのモデルが必要になったか」という文脈の理解を優先する構成にしています。第7章には、標準偏差の計算をステップバイステップで確認する計算例題をKaTeXで収録しています。

まず10問で現在地を測る

8つのジャンルから出題する簡易診断です。正答率が低かった章は優先的に学習することをおすすめします。

問1. 1956年に開催され、「人工知能」という言葉が初めて使われた会議はどれか。

問2. AIが実用化されて当たり前になった技術は「もはやAIではない」と呼ばれなくなる現象を何と呼ぶか。

問3. 正解ラベルが付与されたデータを用いて、入力と出力の関係を学習する手法はどれか。

問4. 交差検証(クロスバリデーション)を行う主な目的として最も適切なものはどれか。

問5. ニューラルネットワークにおいて、入力の重み付き和を非線形な出力に変換する関数を何と呼ぶか。

問6. 画像データの局所的な特徴を検出するフィルタを用いる、画像認識に強いニューラルネットワークの種類はどれか。

問7. 単語や文章を、意味的な関係性を保ったまま数値ベクトルに変換する技術を何と呼ぶか。

問8. 生成器(Generator)と識別器(Discriminator)を競わせながら学習させ、本物らしいデータを生成する手法はどれか。

問9. ビジネス理解→データ理解→データ準備→モデリング→評価→展開という6段階を繰り返す、機械学習プロジェクト特有の進め方の型はどれか。

問10. AIの学習データに社会的な偏りが含まれることで、予測・判断結果にも偏りが生じてしまう問題を何と呼ぶか。

カリキュラムマップ

パターン対象総時間進め方
標準(20時間)AI・機械学習の学習を初めて体系立てて進めたい方。旗艦パターン20h診断→第1〜8章を順に→総復習
実務者(12時間)ITパスポート・DM等の合格済み、またはIT・データ実務経験がある方12h診断で弱点分野を特定→第3〜6章(ディープラーニングの理論・応用)と第8章(法律・倫理)を厚く→他は章末チェックのみ→総復習
直前(6時間)試験1週間前6h診断→正答率の低い上位2章→第8章→総復習

章一覧

章ジャンルこの章で学ぶこと目安
第1章 AIの基礎と発展の歴史AI基礎・歴史AIレベルの4分類、シンギュラリティやフレーム問題などAI分野で議論される問題、探索・推論と知識表現、機械学習・ディープラーニングの台頭120分
第2章 機械学習の基礎機械学習教師あり学習(回帰・分類・アンサンブル学習)、教師なし学習(クラスタリング・次元削減)、強化学習、モデルの選択・評価150分
第3章 ディープラーニングの理論基盤DL理論ニューラルネットワークの構造、活性化関数・誤差関数、正則化と誤差逆伝播法、最適化手法(Adam等)120分
第4章 ニューラルネットワークの要素技術要素技術畳み込み層・正規化層・プーリング層・スキップ結合、回帰結合層(RNN)、Attention、オートエンコーダとデータ拡張150分
第5章 画像・言語・音声のAI応用AI応用画像認識(物体検出・セグメンテーション)、自然言語処理(単語埋め込み・BERT等)、音声処理150分
第6章 強化学習と生成・汎化技術強化学習・生成AI深層強化学習(DQN・AlphaGo系)、データ生成(GAN・拡散モデル)、転移学習・マルチモーダル、モデルの解釈性と軽量化120分
第7章 AI開発の実務と数理・統計社会実装・数理統計AIプロジェクトの進め方(CRISP-DM・PoC・MLOps)、データの収集・加工・分析・学習、確率・標準偏差・相関係数の計算例題120分
第8章 AIの法律と倫理・ガバナンス法律・倫理個人情報保護法・著作権法などのAI関連法、AI開発委託契約、AI倫理の国際指針、公平性・安全性・透明性とAIガバナンス150分

総復習

全8章を終えたら、20問の総復習で定着度を確認しましょう。各章から2〜3問ずつ出題しています。正答率が低かった章は、該当ページに戻って章末チェックを解き直すことをおすすめします。

問1. 第2次AIブーム(1980年代)を牽引した、専門家の知識をルールとしてコンピュータに与える手法の名称はどれか。

問2. 会話の受け答えだけで相手が人間かAIかを判定できなければ、その機械は知能を持つとみなしてよいとする思考実験はどれか。

問3. 境界線(超平面)とデータ点との距離であるマージンを最大化するように分類境界を求める教師あり学習の手法はどれか。

問4. エージェントが環境と相互作用しながら、報酬を最大化する行動方針を学習する手法はどれか。

問5. 分類問題の評価指標のうち、正解と予測した中で実際に正解だった割合を示す指標はどれか。

問6. モーメンタムと学習率の自動調整を組み合わせた最適化手法で、現在最も広く使われている標準的な手法はどれか。

問7. 学習中にランダムに一部のニューロンを無効化することで過学習を抑制する正則化の手法はどれか。

問8. ある層の入力を、その先の層の出力に直接足し合わせることで勾配の逆伝播の近道を作り、非常に深いネットワークの学習を可能にした仕組みを採用したモデルはどれか。

問9. 「Attention(注意機構)」を全面的に採用し、現在の大規模言語モデル(GPT等)の基盤となっているアーキテクチャはどれか。

問10. RNNの勾配消失問題を解決するため、情報を「覚える・忘れる」を制御するゲート機構を導入した改良モデルはどれか。

問11. 画像全体を一度に処理して高速に物体検出を行う1段階方式の代表的なモデルはどれか。

問12. Transformerを応用し、文章の前後両方向の文脈を同時に読み込んで単語の意味を捉える代表的な自然言語処理モデルはどれか。

問13. 音声データを文字列に変換する技術の名称はどれか。

問14. 大規模言語モデルを人間にとって望ましい出力に調整するため、人間のフィードバックを報酬として利用する強化学習の手法はどれか。

問15. 既に大規模データで学習済みのモデルを、少量の目的タスク用データで再調整して特定タスクに適応させる手法はどれか。

問16. 本来モデルが学習時に知りえない未来の情報などが誤って学習データに混入し、学習時の評価は高精度に見えても実運用では性能が出なくなる現象を何と呼ぶか。

問17. 自然現象や測定誤差など、多くのデータが従う釣鐘型の確率分布はどれか。

問18. EU域内の個人データを扱う場合に適用される可能性がある、日本の個人情報保護法より厳格な規則はどれか。

問19. 実在しない映像・音声を精巧に合成し、悪用されると社会に混乱を招く技術を何と呼ぶか。

問20. AIガバナンスにおいて、問題が起きた際にその原因まで遡って追跡できるようにする実務上の要点を何と呼ぶか。

完走したら

ここからは実戦演習・発展学習のフェーズです。このコースは「知識体系の入口」であり、本試験レベルの問題演習には公式の過去問・模擬試験を組み合わせることをおすすめします。

よくある質問

Q. このコースだけでG検定に合格できますか? A. 本コースは20時間で基礎知識を身につけるための学習教材であり、合格を保証するものではありません。G検定は公開過去問・既存の対策教材が豊富にある試験のため、本コースで知識体系の全体像をつかんだ後、公式テキストや模擬試験で仕上げの演習を行うことをおすすめします。

Q. 8章はどの順番で進めるべきですか? A. カリキュラムマップの「標準パターン」では第1章から順に進めますが、ディープラーニングの理論(第3章)を先に理解しておくと第4〜6章の要素技術・応用がつながりやすくなります。IT実務経験がある方は「実務者パターン」(第3〜6章と第8章を厚く、他は章末チェックのみ)が効率的です。

Q. 第4〜6章に固有名詞のモデルが多くて覚えられません。 A. すべてのモデル名を丸暗記する必要はありません。「どのタスクを解くために、なぜそのモデルが必要になったか」という文脈(例: 精度重視の2段階方式か速度重視の1段階方式か)で理解すると、初見の選択肢にも対応しやすくなります。各章の「AIで学ぶ」プロンプトで、生成AIに比較表を作らせるのもおすすめです。

Q. 第7章の数理・統計は数学が苦手でも理解できますか? A. 標準偏差の計算を、同じデータを使ってステップバイステップで追える構成にしています。公式を丸暗記するのではなく、電卓を片手に手を動かしながら読み進めてみてください。