· 学習メソッド · 18 min read
資格試験の直前10日の過ごし方|1日2時間で20時間を使う逆算スケジュールと、受ける覚悟の確かめ方
試験まで残り10日でも、1日2時間使えば20時間を確保できます。受験する覚悟の確かめ方、10日間の組み立て方、AIの使い方、ITパスポートの頻出キーワード確認リストを、どの試験にも使える形でまとめました。

試験まであと10日。
まだ参考書の半分も終わっていない。過去問を解いても、合格ラインに届かない。
そんなとき、「もう間に合わない」とスマホを置いて天井を見上げてしまう人は少なくありません。
けれど、直前の追い込みは、ITパスポートだけでなく、どの試験にも共通する悩みです。そして、10日あっても、1日2時間使えば20時間になります。シラバスハックの20時間コースと同じ長さです。
この記事では、残り10日を、限界を迎えてから慌てるのではなく、先に決めて動くための考え方と進め方をまとめます。最後に、ITパスポートを例にした頻出キーワードの確認リストもつけています。
最初に、自分に聞いてみること
いきなり勉強を始める前に、1分だけ、次の3つを自分に聞いてみてください。
- この試験に、本当に合格したいのか
- 合格したい理由は、何か(仕事、進学、会社からの指示など)
- 受験料や時間を、ほかの誰かが出してくれていないか
受験料を親や会社が出してくれている場合、結果が出ないまま終わるのは、お金を出した側にとって、いちばんつらいことです。落ちること自体よりも、準備をしないまま、受けただけで終わるほうが、あとに残ります。
反対に、答えが「あまり合格したくない」「別の試験を優先したい」であれば、それも大切な答えです。試験日の変更や延期が可能かどうかは、試験ごとに決まりが違うので、受験の公式案内で確認してください。
「合格したい」と答えられたら、残りの10日の使い方を決めます。
10日間は、1日2時間で20時間と考える
残りの時間は、「あと10日しかない」ではなく、「2時間 × 10日 = 20時間ある」と数え直します。
20時間は、基礎を整理して、弱点を埋めるには十分な長さです。範囲のすべてを理解しようとするのではなく、合格ラインに届くために必要な部分に、時間を集中させます。
| 日 | 内容 | 時間の目安 |
|---|---|---|
| 1日目 | 過去問を1回分、通して解き、分野ごとの得点を出す | 2時間 |
| 2〜3日目 | いちばん落とした分野を、AIの説明と過去問で埋める | 各2時間 |
| 4〜5日目 | 次に落とした分野を、同じ手順で埋める | 各2時間 |
| 6〜7日目 | 間違えた問題だけを、もう一度解く | 各2時間 |
| 8日目 | 過去問を1回分、本番と同じ時間で解く | 2時間 |
| 9日目 | 8日目の間違いを見直し、頻出の用語を確認する | 2時間 |
| 10日目(前日) | 用語の確認だけ。早めに寝る | 1時間以内 |
日数が10日より少ないときは、同じ順番のまま、弱点の分野の数を減らします。
2時間が取れない日は、先にスケジュールを調整する
仕事や学校があると、毎日2時間をまとめて取るのは難しい日があります。そのときに、「今日は無理だった」と積み残していくと、最後に限界が来ます。
- 2時間を一度に取らず、朝30分・昼20分・夜70分のように分けて数える
- どうしても取れない日が出るなら、先に別の日に振り替える
- 休みが取れるなら、直前の1日だけでも確保する
- 睡眠を削らない。眠れていない頭では、覚えた内容が残りにくい
先に調整しておけば、「できなかった」という焦りが減り、続けやすくなります。
勉強の優先順位は、配点と弱さで決める
範囲の広い試験で、すべてを同じ重さで勉強すると、時間が足りません。次の順番で優先順位を決めます。
- 合格ラインと、足切りの条件を、公式の案内で確認する
- 1日目の過去問で、分野ごとの得点を出す
- 配点が大きくて、落としている分野から、時間をあてる
合格ラインは試験ごとに違います。たとえばITパスポートは、総合評価点が1000点満点で600点以上が合格ラインで、さらに分野ごとに30%以上の得点が必要です。100点を取ることを目指さず、合格に必要な点を取る戦い方に切り替えます。
生成AIを、弱点を埋める相手にする
直前期は、分厚い参考書を読み直す時間がありません。間違えた問題と、わからない用語を、生成AIに投げて、短い説明と確認クイズで埋めていきます。
# 指示
あなたは**(試験名)**の試験対策の講師です。
試験まで残り**(日数)**日、1日**(時間)**時間しか使えない私が、合格ラインの**(点数)**に届くように、優先順位をつけて教えてください。
# ルール
1. 私が「間違えた過去問」や「わからない用語」を入力します。
2. あなたは解説に加えて、関連する重要キーワードを3つ選び、短く説明してください。
3. 最後に、理解を確かめる1問1答の短いクイズを出してください。
4. 私が正解するまで、別の角度から説明を繰り返してください。AIの説明は、間違っていることがあります。気になったときは、過去問の解説や公式のシラバスで確かめてください。
前日と当日は、新しいことをしない
試験の前日は、新しい範囲に手を出さず、これまでに間違えた問題と、頻出の用語を見直すだけにします。
- 持ち物と会場、受付の時間を確認しておく
- 早めに寝る
- 当日は、わからない問題に長く止まらず、先に進む
直前に不安になって詰め込むと、かえって眠れなくなり、本番の集中力が落ちることがあります。
当日のコンディションを整える
知識が十分でも、頭が疲れていると、それを引き出せません。試験は長丁場なので、当日の体の状態も準備のうちです。次は、特別な準備ではなく、誰にでも当てはまる基本です。
- 睡眠:前日は徹夜をせず、睡眠時間を確保する。学んだ内容の整理は睡眠中に進むと考えられている
- 食事:前日の夕食は、うどんなど消化のよいものにする。昼食は食べすぎず、腹八分目にとどめる。満腹になると眠気が出やすい
- カフェイン:普段から飲み慣れている人は、いつもの量を目安に、試験開始に合わせて摂る。飲み慣れていない人が当日に初めて摂ると、動悸や不安感の原因になることがある。利尿作用もあるので、水分の量はほどほどにして、休憩の時間を考える
- 糖分の補給:長時間の試験では、ラムネやチョコレートなど、手軽に糖分をとれるものを用意しておく人もいる。持ち込みや飲食のルールは試験や会場ごとに違うので、案内を確認する。音の出る容器は、静かな会場では迷惑になることがある
どれも本番で初めて試さないのが原則です。普段の模擬試験や過去問の演習の中で、自分に合う方法を試しておきます。
もし当日、会場へ行けなかったら
体調不良や強い緊張で、試験を欠席してしまうこともあります。そのときは、自分を責める前に、次の順に動きます。
- 公式の案内で、取り扱いを確認する:再受験の手続きや、受験料の扱いは、試験ごとに違う。IPAなど実施団体のページで確認する
- 会社や学校に出してもらった費用なら、早めに連絡する:連絡が遅れるほど、相手の不安は大きくなる
- 原因と次の対策を、事実のまま整理する:欠席は、学習スケジュールの管理が崩れた、という「リスクが現実になった」状態と見ることができる。感情的な謝罪よりも、何が起きたかと、次はどうするかが伝わると、相手は安心しやすい
報告の文章は、生成AIで下書きを作れます。ただし、理由や事実は、実際のことだけを書いてください。AIに理由を創作させると、あとで食い違いが出ます。
# 指示
IPA試験(試験名:(ここに試験名))を欠席しました。
会社に受験料を補助してもらっているので、上司へ誠実な報告を書きたいです。
# 事実(私が入力します。ここに無い事実は書き加えないでください)
- 欠席した理由:(実際の理由を入力)
- 試験までの学習状況:(実際の状況を入力)
- 次に受ける予定:(予定を入力。未定なら「未定」)
# 条件
1. 単なる謝罪ではなく、「なぜ起きたか」「次回に向けた具体的な対策(学習計画の見直し、業務量の相談など)」を入れる
2. 文体は誠実だが卑屈すぎない、プロフェッショナルなトーンにする
3. 上司へのメール形式、またはチャットツール用の短文にするこの経験は、計画の遅れという問題を分析して、関係者に伝え、立て直す、というプロジェクトマネジメントの実践そのものです。次の受験に向けて、「受ける覚悟の確かめ方」を、もう一度やり直してください。
例:ITパスポートの頻出キーワード確認リスト
ここからは、ITパスポートを受ける人向けの例です。次のキーワードを「見た瞬間に説明できるか」で確認し、説明できなかったものだけをAIに聞いてください。
ストラテジ系(出題の約35%)
- DX: デジタルを手段として、ビジネスモデルまで変える「変革」
- BCP: 災害が起きても事業を継続させるための計画
- サブスクリプション: 所有ではなく「利用」に対して対価を払うモデル
- 知的財産権: 著作権(創作物を守る)と特許権(発明を守る)の違い
- 財務諸表: B/Sはある時点の財産状態・P/Lは一定期間の損益
- SWOT分析: 強み・弱み・機会・脅威で戦略を整理するフレームワーク
- PPM: 花形・金のなる木・問題児・負け犬の4象限で事業を評価
マネジメント系(出題の約20%)
- アジャイル: 小さな単位を繰り返す、スピード重視の開発手法
- ウォーターフォール: 上から下へ工程を順番に完了させる従来型開発
- SLA: サービスの品質基準をサービス提供者と利用者が取り決めた合意書
- 内部統制: 会社が正しく動いているか自らチェックする仕組み
- PDCA: 計画・実行・評価・改善のサイクル
- WBS: プロジェクトの作業を階層的に分解した構造図
テクノロジ系(出題の約45%)
- OS: ハードウェアとアプリの間を取り持つ基本ソフト
- LAN / WAN: 構内ネットワーク(LAN)と広域ネットワーク(WAN)
- 公開鍵暗号: 「公開鍵で暗号化、秘密鍵で復号」の方向を確認
- ファイアウォール: 不正な通信を遮断するネットワークの関門
- SQL: データベースを操作する言語。SELECT・INSERT・UPDATE・DELETE
- 仮想化: 1台のサーバーを複数の独立した環境に分けて使う技術
- IoT: モノがネットワークに繋がり、データを収集・活用する仕組み
ITパスポートの全体の進め方は、ITパスポート 合格ロードマップにまとめています。
まとめ
- 残り10日は、「あと10日」ではなく「1日2時間で20時間」と数え直す
- 勉強の前に、本当に合格したいのかを自分に聞く。出してくれた人がいるなら、準備せずに受けて終わることがいちばんつらい
- 2時間が取れない日は、限界が来る前にスケジュールを調整する
- 配点が大きくて、落としている分野から時間をあてる
- 前日は新しいことをせず、見直しと睡眠を優先する
まずは今日、過去問を1回分、通して解いて、分野ごとの得点を出してみてください。




