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P/L・B/S・C/F・損益分岐点・ROIとは?会計・財務の基礎を1ページで整理
「儲け」「財産」「現金」の3つの見方と、採算ライン・投資判断の指標。バラバラに見える会計・財務用語を1つのストーリーとしてつなぎ直し、試験の出題ポイントまで1ページで整理します。

結論:損益計算書(P/L)・貸借対照表(B/S)・キャッシュフロー計算書(C/F)は、会社を「儲け」「財産」「現金」という3つの異なる角度から見た報告書です。さらに、事業の採算ラインを示す損益分岐点と、個別投資の妥当性を測るROIなどの指標を加えると、会計・財務の全体像が1つのストーリーとしてつながります。この記事では6つの用語を関係づけて整理し、1ページで完結させます。
なぜこれらの用語はセットで出題されるのか
「利益が出ているから会社は安泰」とは限りません。売上が増えているのに手元に現金がない、利益は黒字なのに倒産する(黒字倒産)というギャップが、実際のビジネスでは起こります。これを理解するには、3つの財務諸表を別々に暗記するのではなく、それぞれが何を映しているかを対比させて覚える必要があります。
- P/Lは一定期間の「収益と費用のフロー」=どれだけ効率的に稼いだか
- B/Sはある時点の「財産状態のストック」=稼いだ利益が何に変わったか
- C/Fは実際の「現金の出入り」=本当にお金は回っているか
この3つに加えて、事業単位の採算を見る損益分岐点、個別プロジェクトの投資対効果を見るROIを押さえれば、会計・財務分野を得点源にできます。
全体像を一枚で見る
| 用語 | 何を示すか | 試験の主な出題ポイント |
|---|---|---|
| P/L(損益計算書) | 一定期間の収益・費用・利益 | 5段階の利益の計算式 |
| B/S(貸借対照表) | ある時点の資産・負債・純資産 | 資産=負債+純資産、自己資本比率 |
| C/F(キャッシュフロー計算書) | 一定期間の現金の出入り | 営業・投資・財務の3区分、黒字倒産 |
| 損益分岐点(BEP) | 利益も損失もゼロになる売上高 | 固定費÷(1-変動費率)の計算 |
| ROIなどの投資指標 | 個別投資が妥当かどうか | ROI・TCO・NPV・IRRの使い分け |
P/L(損益計算書)— 一定期間の「儲け」を示す
P/Lは、一定期間(通常1年間)の収益と費用をまとめ、どれだけ利益が出たかを示す報告書です。利益は次の5段階で計算されます。
| 利益 | 計算式 |
|---|---|
| 売上総利益(粗利) | 売上高 - 売上原価 |
| 営業利益 | 売上総利益 - 販売費及び一般管理費(本業の利益) |
| 経常利益 | 営業利益 + 営業外収益 - 営業外費用(本業以外も含めた実力値) |
| 税引前当期純利益 | 経常利益 + 特別利益 - 特別損失 |
| 当期純利益 | 税引前当期純利益 - 法人税等(最終利益) |
試験では特に営業利益と経常利益の違い(本業だけか、本業以外も含むか)が頻出です。
B/S(貸借対照表)— ある時点の「財産」を示す
B/Sは、ある時点での会社の財産状態を示す報告書で、バランスシートとも呼ばれます。資産=負債+純資産という等式が土台で、左側(資産)は「お金を何に変えたか」、右側(負債・純資産)は「お金をどう集めたか」を表します。
- 資産:1年以内に現金化できる流動資産(現金・売掛金など)と、長期保有する固定資産(建物・ソフトウェアなど)
- 負債:1年以内に返済する流動負債(買掛金・短期借入金など)と、長期の固定負債(長期借入金など)
- 純資産:返済不要な自己資金(資本金・利益剰余金など)
総資産のうち純資産が占める割合を示す自己資本比率は、会社の安全性(倒産しにくさ)を測る重要指標です。
C/F(キャッシュフロー計算書)— 実際の「現金」の動きを示す
C/Fは、一定期間の現金の出入りを3つの活動に分けて記録します。P/Lが「利益」を示すのに対し、C/Fは「現金」に特化している点が違います。
- 営業活動によるC/F:本業での現金の増減。プラスが「健康な会社」の証拠
- 投資活動によるC/F:設備投資や買収など。投資すればマイナスになるのが一般的
- 財務活動によるC/F:借入や増資など。借りればプラス、返せばマイナス
3表のつながりと黒字倒産
P/Lの当期純利益は、翌期のB/Sの純資産(利益剰余金)に積み上がります。しかし、売上が計上されても入金は数ヶ月後というタイムラグがあるため、P/L上の利益と手元の現金は一致するとは限りません。
「P/Lは黒字なのに、B/Sには売掛金や在庫が積み上がり、C/Fの営業活動によるキャッシュフローが大幅なマイナス」という状態が続くと、支払いに必要な現金が尽きて倒産します。これが黒字倒産です。B/Sの流動比率(流動資産÷流動負債×100)が高くても、その中身が「売れない在庫」であれば支払能力は危うい、という見方も試験・実務の両方で重要です。
「P/Lで稼ぎ、B/Sに積み上がり、C/Fで現金を巡らせる」という3表の連動を意識すると、それぞれを別々に覚えるより理解が深まります。
損益分岐点(BEP)— 事業の採算ラインを計算する
損益分岐点は、売上高と費用がちょうど等しくなり、利益も損失もゼロになる地点です。計算には3つの要素を整理します。
- 固定費:売上に関わらずかかる費用(家賃・給料など)
- 変動費:売上に比例して増える費用(原材料費・外注費など)
- 限界利益:売上-変動費。固定費をカバーする力を示す
損益分岐点売上高 = 固定費 ÷ (1 - 変動費率)この式は「固定費を限界利益率で割る」という意味です。試験ではこの基本形に加えて、現在の売上が損益分岐点の何%かを示す損益分岐点比率、あとどれだけ売上が落ちても赤字にならないかを示す安全余裕率、目標利益を達成するために必要な売上高を求める問題もよく出ます。いずれも「限界利益で固定費(+目標利益)をまかなう」という同じロジックで解けます。
投資の合理性を測る — ROI・TCO・NPV・IRR
個別のIT投資が妥当かどうかを判断する指標もセットで押さえておきましょう。
ROI (%) = 利益 ÷ 投資額 × 100試験で間違えやすいのは「利益」と「投資額」の定義です。利益はコスト削減額も含む純利益、投資額は初期費用だけでなく運用・保守費用まで含めた全コストを指します。
- TCO(総所有コスト):導入から運用・保守・廃棄までライフサイクル全体でかかる総コスト
- NPV(純現在価値):将来の利益・費用を「お金の時間価値」を考慮して現在価値に換算した指標
- IRR(内部収益率):投資の現在価値と初期投資額が釣り合う割引率。その投資の利回りを示す
Syllabus Hack Points:AIで財務のつながりを検証する
3表や指標を個別に聞くより、矛盾したシナリオを見抜かせるほうが理解が深まります。
あるIT企業の当期純利益は増えているのに、営業活動によるキャッシュフローはマイナスになっています。損益計算書・貸借対照表・キャッシュフロー計算書のどこに注目すれば原因が分かるか、それぞれの表の役割の違いを踏まえて仮説を3つ挙げてください。あわせて、この状況が「黒字倒産」につながるリスクがあるかどうかも判定してください。回答をもらったら、「これはP/Lの話か、B/Sの話か、C/Fの話か」を自分で仕分けし直してみましょう。3表を混同せずに説明できるようになれば、財務分野の応用問題にも対応できます。
まとめ
P/L・B/S・C/F・損益分岐点・ROIは、会社の「儲け」「財産」「現金」を見て、事業の採算ラインと個別投資の妥当性を判断するという一連の会計・財務リテラシーの中にある用語です。
- P/Lは一定期間の儲け、B/Sはある時点の財産、C/Fは実際の現金の動き
- 3表がズレると黒字倒産のリスクが生まれる
- 損益分岐点は「限界利益で固定費をまかなう」という1つのロジックで計算する
- ROI・TCO・NPV・IRRは、個別投資の妥当性を測る指標として使い分ける
この6つを1つのストーリーとして押さえておけば、会計・財務分野は暗記ではなく理解で得点できます。
